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“正論”は子どもをつぶす?

『正しさ』で諭そうとしない

さて、いよいよ6年生は、最後の追い込み体制に入ってくる時期です。でも、読んでくださっている方は、こんな悩みを抱えていらっしゃいます。
「こんな時期なのに、やる氣を失ってしまった」
「いまだに、私が促さないと塾の宿題すらしない」
「いつまでも、生活がダラダラとしている」
…いろいろありますね。4年生や5年生にも言えることですね。でも、ここで気をつけて欲しいことがあります。『正しさ』は人を傷つけることが多い …ということです。

『…べきだ』『…ねばならない』と注意したくなりますよね。
「あと3ヶ月だから、もっとやる気を出すべきよ」
「もっと受験生らしくしなさい」
もう何度も、爆弾を落としていらっしゃる方もいる(笑)。でも笑いごとじゃないんです。子どもに対して言いすぎてしまったことで、後で自己嫌悪におちいる。

お子さんも、できたらそうありたいと思っているはず。でも、できていない…ということは自覚しています。そこへ、親からの『正しさ』爆弾!『正しさ』はナイフのように心をえぐります。カウンセリングの立場からお話しますね。ここはグッと『正しさ』で諭したいのをガマンしましょう。お子さんのできていないことを受け入れてみましょう。そして、お子さんの話を聞いてください。

「最後の追い込みなのに、調子が出ていないみたいだけど大丈夫?」
「今ちょっとパワーダウンしてる?正樹らしくないねえ」
何か答えやすい質問をしてあげてください。受験勉強で今辛いことや、プレッシャーがかかっていることを、話してくれるかもしれません。

そして、話してくれた後。これもとっても重要なんですが、解決してあげようと思わないこと。 「それは、こう考えてこうすればいいじゃない」…と、また『正しさ』の押し売りになっちゃいます。
カウンセリングに、『良いカウンセリング』『悪いカウンセリング』はないのですが、話を聞いている方が、「ああ、どうしてあげることもできないなあ」…と無力感を感じることができたら、相手は心を開いて話してくれたという目安です。そこまでいったら、お子さんの気持ちも少しは、楽になっていくでしょう。中学受験ラストステージの前に、親子で『無力感』を味わうのも、上昇のキッカケになるかもです。