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「こんな勉強、役に立つの?」にどう答えるか

正論で答えても、子どもは納得しないもの

「先生、英語なんて将来役に立つの?外国なんて行く気ないし」
「先生、数学なんて将来役に立つの?計算だけできればいいんじゃないの?」
「先生、理科なんて将来役に立つの?日常生活に関係ないし」
「先生、社会なんて将来役に立つの?そんなに昔のこと知ったって、しょうがないじゃん」

このように、別々の生徒がいろんな科目について『役に立たない』説を私に押し付けてきます。
面白いのは、国語はあまり言われないんですね。「やっぱり日本語は必要だから」とでも思うのでしょうか?

しかしまあ、これらの意見にあまり真剣に付き合う気がしない、というのが私の本音です。
もちろん言い分は聞きますが、だからと言って真正面から「いいか。これからは国際化社会だから、英語は絶対に必要になるんだぞ」みたいなことを言っても、あまり意味がないと思うからです。

だって、たいていの生徒は本気でそう思って言っているわけではないからです。
「役に立たない」からやりたくないんじゃなくて、やりたくないから「役に立たない」と思い込もうとしているだけなんです。

かなり乱暴に図式化すると、
その科目が苦手→やりたくない→「役に立たない」と思いたい
ということなんです。
もちろん、100%全員が、ということはないですけど、だいたいがそうです。
なぜそんなことが言い切れるかと言うと、そういう生徒に『役に立つ例』をあげたとしても、あまり真剣に聞いてないからです。
そんな話は聞きたくなかった、みたいな顔をするからです(笑)。

しかも、一方ではとても現実的で、「とか言ってもやらないわけにはいかないんだよな。受験もあるし」というような諦念も持っています。
ただ、そんなことを言って「憂さを晴らしてみたい」というのが、私の受ける印象です。

このような生徒に対してなんと答えるべきか。悩むところではありますが、私は最近、次のように言っています。
「役に立つか、立たないかは、これからの君次第だ。どんな職業に就くかにもよるし」
もっとつっこんだことも言えるけれど、先ほども書いたようにあまり真剣に聞く気はないようなので、言いません。
実際、役に立つ・役に立たないというのはいろんなレベルがあるので、自分の過去の学習を振り返って「これは役に立った」「あれは役に立たなかった」なんて、言い切ることはできませんし。

情報、という意味では、「どんな勉強だって役に立つ可能性がある。なぜならそれがヒントになって、人生が変わるような劇的なアイデアが生まれるかもしれないから」と私個人としては本気で思っていますが、そんなデッカイ話をしてもねー(笑)。ま、聞いてくれるんなら、いくらでもしますが…。

「勉強なんて、役に立たないじゃん」という言葉に、もしあなたが指導者なら、どんなふうに答えますか?
「これが正解」というものはもちろん存在しませんが、自分なりの答えを持っている必要があるのではないか、と思います。