「命を粗末にしてはいけない」という言葉は心に響くか
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「あなたにいてほしい」と伝える
人が「死にたい」と口にする時、相手は死にたい気持ちも含めて、ありのままの自分を受けとめてほしいと願っています。
「受けとめる」ということは、
責めない。
裁かない。
変えようとしない。
たとえ、相手の間違った思い込みが見えても、今はそれを口にすべきではないのです。
相手が「死にたい」と打ち明けた時は、問題解決へのまさに第一歩を踏み出したところですから、周りが解決を急ぐとかえって仕損じるのです。
そして、一番重要なのは、相手に後悔させないこと。「打ち明けてよかった」と実感してもらうことです。
なぜなら、そこから自分への信頼回復、そして他人への信頼回復が始まるからです。
死ぬほど思い詰めている人は、もともと、人に悩み苦しみを打ち明けるのが苦手という要素を持っています。
それだけに打ち明けられた人間の態度の如何によって、それは死への引き金にもなってしまうのです。
でも、人に悩み苦しみを打ち明けることのメリットを実感してもらえたら、それは大きな自信につながります。
つまり、死ぬほど苦しもうと、欠点だらけであろうと、自分は愛されるに値する人間だということ。
たとえ人に弱み苦しみを見せても、嫌われたり、見放されたりするわけではないということ。
これが実感できれば、相手は自分を肯定し、自己の尊厳と信頼回復への大きな一歩を踏み出すのです。
とはいえ、聞いた方が「死なないで」とストレートに言うと、相手には重すぎることもありますから、
「○○ちゃんがいなくなったら、さみしいよ」
「元気になったら、また一緒にカラオケに行こうよ」
「今、何か見たいビデオとかない?あの連ドラの最終回、見損なったって言ってたでしょ。レンタルして見てみない?」
そんな風に、『相手が生きて存在する』ということが、あなたにとってどれほど大切で素敵な体験かということを伝えてあげたらいいと思います。
わけもわからず「死ぬな、死ぬな」と連呼するより、「あなたにいてほしい」という気持ちの方が、相手にはよほど救いになると思います。
そして最後は、「また死にたくなったら、いつでも話してね」と言ってあげて下さい。
相手が全力を懸けて打ち明けたからには、自分も全力を出して応える、それが筋だと思います。
「2回も3回も聞かされるのはイヤだわ」
「こんな人、つきあいきれないわ」
それが見えたら、意味がなくなってしまいますから。
そう言えば数年前、自殺防止の公共広告で、「『死ぬな』と言うより、『好き』と言って欲しい」
というコピーがあったそうですね。他人様のブログで読んだのですが。
私は、この言葉がすべてを物語っているように思います。
やはりね、『愛』なんですよ。使い古された言葉ですけど、その一言に尽きます。
そして、この『好き』を一番身近に、一番確かに伝えられるのは、やはり『親』ではないでしょうか。
お腹を痛めてこの世に産み落とした子どもが、「生きていたくないから」と自ら命を断ってしまう―。
オギャアと産まれた時は、あんなに「可愛い、可愛い」してもらった子どもが、「私なんか生きていてもしかたない」と死を思い詰める―。
その意味を、当事者であってもなくても深く考える必要があると思います。
ぜひ子どもさんと話し合って下さい。
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