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子どもにカンニングをさせないために

悪いことは叱るべき。でも…

子どもが学校や塾でカンニングをしたら、皆さんは、どうするだろうか。
先日、学習塾の講師の方に、そういう場合の対処はどうすればよいのかと聞かれた。

その講師の先生は、生徒を思いっきりどやしつけ、随分と2人で話をしたそうだ。しかし、納得してもらえなかったらしい。
そこで先の質問をしてみたそうだ。私が答えたのは、以下のようなロールプレイだ。

 先 生:どうしてカンニングなんかしちゃったんだ?
 生 徒:……。
 先 生:君は、カンニングが悪いことだと知っていただろう?でも、カンニングを
      しなければならなかった。その理由を先生は知りたいんだよ。

 生 徒:いい点取らないと居残りになるから。
 先 生:そうか。居残りになると思ったからカンニングしたのか?ドキドキしただ
      ろう?
 生 徒:ちょっとね。
 先 生:居残りが嫌な理由はなんだい?
 生 徒:お母さんに、点数がばれちゃうから。居残りの連絡を先生がするだろ
      う?

 先 生:そうか。お母さんに悪い点数を知られたくないからか?お母さんは、君
      が悪い点数だと叱るのか?

 生 徒:そうなんだよ。だから、ついついカンニングしちゃったんだ。
 先 生:そうだったのか。居残りが嫌だったんじゃなくて、お母さんに悪い点数を
      知られるのが嫌だったのか。でも、なんでカンニングで切り抜けようと
      思ったの?勉強してくればいいんだよ。何かできない状況でもあるの
      かな?

 生 徒:家にいると勉強できないんだよ。お母さんが、勉強しろしろってうるさい
      し、好きな理科をやってると数学や英語をやりなさいってすぐ言うんだ
      よ。

 先 生:そうなのか。勉強に集中できないわけだ。じゃあ、しょうがないな。カン
      ニングでもして切り抜けなきゃな。でも、君もカンニングは、悪いと思っ
      ているんだから、ちょっと辛いよな。カンニングをしなくても良い点数が
      取れる方法はないのかなあ?

子どもの気持ちを受け止めることが、重要なことだ。それなくして正論を説いても、子どもはその正論を聞き入れてはくれないものだ。
まずは子どもを受容し、子どもの気持ちを理解して、その次に子どものために正論を説かなくてはダメだ。

頭ごなしに叱ってみても、子どもは、受容してくれないだろう。それよりは、子どもの何が悪いことをさせているのかを受容することだ。
相手を受容してはじめて、その相手も自分の意見を聞いてくれるのだ。