「自分のことが好き」と思える子に育てるには?
自信に根拠なんかなくていい
教員をしていたときも、作文教室でも「自画自賛」「ほめほめ」という時間を設けていました。
「自画自賛」というのは、図工、作文、家庭科などで自分の作品をほめまくります。
「ほめほめ」というのは、友達の作品をほめまくります。
「にんまりと笑って、鼻の下がのびるまでほめ続ける」が合言葉です。
大変楽しい時間です。
ところが、自分のことをほめられない子が、けっこういます。
いいところなんてない、難しい…と頭を抱えるのです。
だったら他人のことをほめたいところですが、ほぼ例外なく、他人もほめちぎることができません。
ほめるときは、ある基準をクリアしていなければなりません。条件付なのです。
10年くらいしか生きていない子どもたちが、どうして自分の表現したものを好きになれないのでしょう。
いつから、そんな寒々とした世の中になってしまったのでしょう。
よく観察していると、そういった子どもの母親も自分に対して厳しく、子どもに対しても厳しいのです。
あるとき、こんなことがありました。
「自分の好きなところを3つ書いてください」というお題で、親子で紙に書いてもらいました。
20分かけて1つ。あるいは、0の方もいました。
自分の好きなところが見つけられないのです。
これは書いていい、これはとんでもない、とジャッジしているのです。
よくわからない何かと比較しているのです。
3つ書いた人も、文末に「?」をつけていました。
その親の子どもたちも、同じように自分の好きなところを見つけられず苦しんでいました。
「嫌いなところやだめなところなら書けるんだけど」
子どもがそう言いました。
わたしは悲しくなりました。
根拠のない自信をつけるのは簡単だと思います。
母親が、一生懸命やっている子どもに、「○○ちゃんらしくっていいね」とほめ続ければいいのです。
「それでいいんだよ」と肯定してあげればいいのです。
食べ物が人をつくるといいます。
言葉も人をつくります。
やっぱり母親の言葉は、子どもを形づくるのだと思うのです。
自分に優しい言葉をかける。
そのための土台作りとして、ときどきゆっくり話されてはどうでしょうか。
これは、経験則でしかないのですが、緊張体質の子どものお母さんは、えてして早口です。
わたしも自分にゆとりがあるときは、子どもや妻にゆっくりと話しています。
みなさんも、ゆっくりとご自分に優しい言葉をかけてみてはどうでしょう。
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