「馬にニンジン作戦」の行方
親の言葉かけは子どもの成長に重要な意味を持つ
「お母さん、90点とったよ〜」
子どもが学校から帰ってくるなり、
靴も脱がずにこう言ったとします。
さて、お母さんはなんと答えるのでしょうか?
いろいろな返事がが想像できます。
子どもはどんな言葉がお母さんから返ってくるのを期待しているのでしょうか。
どんな言葉かけをしたら、
「よ〜し、次はもっといい点とろう。」と思ってくれるのでしょうか?
1)まず、靴を脱いで、手を洗っていらっしゃい。
2)あら、そう?どこを間違えたの?
3)90点?へぇ…。で、テレビに戻る(笑)
4)だれか100点いたの? 最高得点はまたあの子?
5)あら、よかったわねぇ。ご褒美におやつあげる。
正解は5)だと思った方、多いのではありませんか?
最近、「ほめて育てる」子育てが多くの信者を増やしています。
5)は、ほめています。点数を他の子どもと比較していません。
がんばったご褒美をもらっています。
次はご褒美ほしさにもっとがんばるかもしれませんね。
でも…ご褒美がなかったら、それでもがんばれるでしょうか?
ご褒美がなくても、お母さんに喜んでもらおうと、
がんばれるでしょうか?
何年か前のうちの塾のある生徒は、
「先生、これができたら、何くれる?」が口ぐせでした。
いつもいつも、そうでした。
定期テストのときも、「成績が前回より良かったら◯◯を買ってもらえるんだ」と、一夜漬けにせよがんばるのでした。
「次のテストであなたのがんばりをみせて」というと、「じゃあ、がんばったら、何くれる?そうじゃなければ、めんどくさい」とこうでした。
根は素直なのに、ほめるとうれしい顔をするのに、
せりふは「何くれる?」。
なぜそんな言い方をするのか、これまで疑問でした。
最近、はたと思い当たったのが、
もしかすると、ご家庭での「ご褒美作戦」???
小さいころから、100点取ったら◯◯円、お手伝いしたら◯◯円と親子で「契約」があったとしたら、家庭以外でも「契約」したくなって当然。
だって、それがその人の動機付け(モチベーション)つまり、
やる気のもと、かも知れません。
子どもであれ、労働して報酬をもらう、
それがお小遣いなのだ、というどこかの国の考え方とは少し違うでしょう。
だって、日本ではたいていお小遣いは別にあげるようですから。
やる気づけを、「馬の鼻先にニンジン」、と同じように考えてしまうと、子どもの思考回路をゆがめてしまうことになりはしないか、と小さなことが気になったりします。
目先の「ニンジン」につられてがんばる子どもが大人になって、社会人になって、どんな「ニンジン」を自分で設定するのでしょうか。
かくも親の言葉かけは、のちのち大きな意味をもってくるようです。
心して、子育てしてくださいね。
わが子がどんな大人になって欲しいのか、
子育てという一大仕事を、長期の展望でをみてくださいね。
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