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ほめ方のパターン“YOUメッセージ”とは?

誉めているのに、「もっと 誉めて!」

前回、子どもたちを誉めれば誉めるほど悪循環になっていった体験をお話しました。

一生懸命、誉めれば誉めるほど、もっと誉めて!と要求される。
さらに、良いことをしたのを見逃してしまったら、「先生が 見ていてくれなかった!」という不満までぶつけられる。
さて、私はどんな風に「誉め」ればよかったのでしょう?

●YOUメッセージで相手を認めようとすると…

「おかあさんといっしょ」に出てくる歌で、「ママゴリラ」というものがあります。

♪ すごいわ!えらいわ!いい子ね〜!うきうき るんるる おほおほ ひょ〜!

というものです。
子どもが 「すごくて、えらくて、いい子」だとお母さんが 「うきうき るんるる おほおほ ひょ〜!」になるんですね。笑

「すごい」「えらい」「いい子」これ、全部 「誉め」言葉です。よく使うものですよね。
誉めることは、悪いことではありません。ただ、弊害についても 知っておく必要があります。

今回は、YOUメッセージという観点からお話します。
YOUメッセージは、主語が「あなた」で始まる文です。

「(あなたは)すごいわ!」
「(あなたは)えらいわ!」
「(あなたは)いい子ね!」

誉め言葉の多くは、子どもの人格や能力を評価するYOUメッセージです。
多用したとき、子どもに どんな メッセージが伝わっているでしょう。

●誉めるYOUメッセージは「ご褒美」

YOUメッセージの誉め言葉には、「上から目線で評価を与える」というニュアンスがあります。
私が短い手紙を渡すことで子どもたちを励まそうとしたことは、上から表彰状を渡すことに等しい行為でした。
つまり、「あなたは、良いことをしました。いつも先生に褒められるような良い子でいてね。」というメッセージが伝わってしまいました。
それに応えて、子どもたちは「先生に誉められるように」がんばったんですね…。

でも、その思いに反して、自分の良いことをしたのに見てもらえなかった、と感じると、反発を感じてしまうという悪循環になったのです。
言うなれば、
「百点取ったら、おこずかいあげる!」と言われたのに、
「百点取ったのに、なんでおこずかいくれないの〜!」
というのに似た反乱が起きたのでした。

がんばったらごほうびをあげる(誉める)、というのは限定的な認め方なんですね。
さらに、自分がやりたいからやる、ではなくごほうびが欲しいからやる、にすり替わってしまう恐れがあります。
当時の私には、それがわからず、右往左往していました。

では、YOUメッセージを使って相手を認めてはいけないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。「承認」するのに使えばいいのです。
「承認」については、次回の号にて!