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勉強ができる子とできない子、生活習慣はどう違う?

家で4時間以上勉強する子は、成績が悪い!?

山口県山陽小野田市が、全力を上げて取り組んだ「生活改善・学力向上プロジェクト」の成果を紹介した本が出ました。

「学力は1年で伸びる!」
著:江澤 正思・陰山英男
価格:¥ 1,365(定価:¥ 1,365)

山口県山陽小野田市教育長、江澤正思氏、そして「陰山メソッド」の陰山英男氏の本です。
学校と家庭が協力し、生活を改善することによって、学力アップにつながった成果が書かれています。

さて、その中に、実に面白いデータがありましたので、お伝えします。

児童を、生活習慣が同じであるいくつかのグループに分け、どのグループの子どもたちが成績が良いのかを見るデータです。
まずは、成績の良い子どものグループベスト5。
どのような生活習慣がある子が、成績が良いのでしょうか。

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1 1ヶ月に本を、16冊以上読む
2 1ヶ月に本を、6〜10冊読む
3 家での勉強時間は、2時間以上3時間未満
4 寝るのは、8時以降9時まで
5 1ヶ月に本を、11〜15冊読む
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1位、2位、5位に読書量が絡んでいます。
やはり、読書量と学力は比例するようです。

さて、次。
ワースト5です。
どのような生活習慣があると、成績が悪くなっているのでしょうか。

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1 朝食は食べない
2 勉強は大切だと、思わない
3 家での勉強時間は、0分
4 ゲームは、4時間超
5 家での、勉強時間は、4時間超
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さて、どうでしょう。
1は、保護者の責任ですね。
2は、精神的な部分。やはり周囲の環境でしょうか。
3は、当然のような気がします。
4も、当然ですね。
さて、5を見てください。
一日の、家庭での勉強時間が4時間を超えるグループが、ワースト5に入っています。
これはいったいどういうことでしょうか。

本書を読み進めていくとわかるのですが、どうやらこのグループの子どもたちは、テレビ視聴時間とゲーム時間も最長のグループに入るのです。
帰宅してから就寝するまでの時間、かなりだらだらとゲームをし、だらだらとテレビを見て、だらだらと勉強しているのです。
そして、就寝時間が遅く、目覚めも悪く…。と、相当子どもらしくない生活を送っている様子が目に浮かびます。
就寝時間が12時以降という子どももいるというから驚きです。
このグループは、知能指数も非常に低いのだそうです。

要するに、勉強時間は長ければいいというものではなく、短時間でも集中した方が効果があるということです。

睡眠時間を確保し、残りの時間に読書と勉強、そして息抜きのテレビやゲームの時間を盛り込んでいくためには、勉強は短時間に集中して行うことが必須となるわけです。
これはもう、親の出番ですね。
子どもに「何事も集中するのよ」とか「勉強時間は短い方がいいらしい」などと言っても、実践することは無理でしょう。
別の解釈をしてしまう危険性もありますね。

下校してからの時間の使い方について、低学年のうちは親が指導することが大切です。
高学年になってからは、自分で計画を立てられるまでは一緒に立ててあげて、自分で計画を立てられるようになったら、それがうまくいくように見守ることが大切です。
また、夕食の時間を工夫したり、子どもと一緒に見たいテレビ番組を選んだり(厳選してくださいね)、就寝時間に間に合うように家事を片付けたりすれば、親にとっても生活習慣を見直すいい機会にもなりますね。

このプロジェクトに市をあげて取り組んでいる、というところが実にうらやましい。
もうすでにその時点で、この地域の文化水準の高さを感じますね。
山陽小野田市に続けと、この成果を見てさっそく教育改革に取り組んでいる市町村もあります。
「私の住んでいる所は、まだまだだわ…」と嘆くことはありません。このプロジェクトのエッセンスを、家庭で取り組めばいいのです。