話を聞かない子にどう接するか
責めるのではなく、まずは自分の振り返りを
子どもが話を聞かない、と悩む方は多いのですが、問題があるなら、まずは問題状況を努めて冷静に観察してみてください。
コミュニケーションに関しては、自分と相手の双方が関わることですから、相手のことだけではなく自分のことも振り返ってみて下さい。自分に問題があるなら、問題を解決するのは比較的容易です。自分が変われば良いのですから。
「自分は悪くない、相手が悪い」という結論しか出ないと、相手を変えるのは容易ではないので、そこからが大事です。
そもそも相手を変えるためには、自分が今までと違う何かを試みなければならないはずです。
どう頑張っても、自分が変わらなければ、話は始まらないんですね。
別に自分に常識的に考えて悪いところがなかったとしても、良い悪いの問題ではなく、何かを変えたいのならまず自分が変わらなければならないのです。
自分を変える、といったとき、皆さんはどうされますか?
「自分を変える」なんて意識したことがなくても結構です。
これから自分を変えようという時、まずどうしますか?
状況は「コミュニケーションにおいて」です。
相手との言葉のやりとりがうまくいっていない時に、皆さんは、まずどうされますか。
私は「率直に相手に気持ちや考えを伝える」を身上にしています。
ですから自分に変えられる点があった、自分を変えよう、と思ったら「僕はもっとこうすべきだった。僕は自分を変えることにした」と、コミュニケーションを改善したい当人の前で言います。
勉強していない、自習もなかなかしてくれない生徒に対しては、「僕の君に対する態度は良くなかった。君が勉強していないのを、僕は今まで放置してしまった。すまない」。まずそうやって、生徒に頭を下げます。
ちょっと、子どもを驚かせる意図もあるのです。
悪い成績を取って怒られたことは、みんな多いと思うのですが、悪い成績を取って「こんな成績を取らせてしまってすまない」と頭を下げられた子は、ほぼいませんからね(笑)。
だいたいの子どもは「いや、自分が勉強しなかったのが悪いんです」と、ちょっと気まずそうに言います。
また、この言葉にはもうひとつポイントがあります。
このセリフは「私はあなたの今までの責任を問うつもりはない」というメッセージを送る働きも持っています。
人は責任を問われると思うと、責任逃れをします。大人も子どももそうです。
逆に、責任を問われないと思うと自分の責任を考える余裕が生まれ、また責任がなさそうな人が頭を下げるのを見ると、人は後ろめたさを感じ、自分の責任を探し始めます。
そこで、「現状を変える」という目標を共有していることをきちんと確認して、お互いに出来ることをしていこうと話せば、一定の信頼関係の元に、子どもは話を受け止めてくれるように思います。
子どもは良くも悪くも人を信じてくれます。もちろん、個人差はあるので一概には言えませんが…。
あとは、子どもの信頼に応えて、方向性を提示できるか。
■今日のポイント 〜まず自分に変えられる点を探す〜
まず自分の変えるべき点を探し、そして、まず自分の責任、自分の努力目標を率直に提示することではないでしょうか。
「私は何もしません。全部あなたがやりなさい」。それでは、ちょっと反発したくもなりませんか。
その上で、子どもにも責任を負ってもらう。
成績を取れなかったら怒られる、という薄っぺらなことではなく、期待してくれた人の期待を裏切ってしまうとか、また悪くない人を謝らせてしまうとか。約束を守れなかったとか。信頼を裏切ってしまうとか。
ああ、あのとき自分はできることをしなかった。
それで、せっかく歩み寄ってくれた人の気持ちに応えられない…。まぁ、僕の生徒はここまで考えてくれないと思いますけどね(笑)。
まず、自分が誠意を見せることからだと思うんです。
人間関係ですから。
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