「宿題やろう」と自発的に思わせるには
子どもの関心を引き出す
子どもをしかるとき、とった行動を否定するような言い方で、
・部屋を散らかしてはダメでしょ
・宿題やっていないなら、遊んじゃダメ
などと言うことがあります。
一方的な、ダメ、ダメ、ダメのしかり方は、子どもの『自発性』や『やる気』をそぐものです。
否定形がダメなら、肯定形、しかもやさしくということで、
・部屋をきれいにしてね
・遊ぶ前に、宿題をやってね
というアドバイスがあります。
改善方法を促すという意味で、子どものやる気をそぐことはあまりありませんが、それでも、なかなか実行はしてくれませんね。
子どもが自発的に、「じゃあ、やろう」という気になってほしいものです。
片づけや宿題をやらなければいけないことは、子どもも基本的にはわかっています。
わかっていても、やりたくない、後回しにしたいという気持ちのほうが勝ってしまうのでしょう。
だからといって片づけや宿題でごほうびをあげるのも、自発性を育てるという意味ではいかがなものかと思われます。
たとえば、学校の先生が教室で子どもに静かにしてもらうときの言い方としては、
・うるさい!しゃべっちゃダメでしょ(否定形)
・静かにしてください(肯定形)
が一般的ですが、次のこんな言い方はどうでしょうか。
・シーッ。何か聞こえるけど、何かな?
みんなには聞こえる?何か小さな音。(関心や興味)
この小さな音を何にするのかはその時の環境によりますが、窓の外から聞こえる鳥のさえずりや室内の時計の針の音など、静かにしないと聞こえない音に関心を向かせると、おそらく静かになるはずです。
いかがでしょうか?
否定形でも、肯定形でもありません。いってみれば、「感覚形」や「感性形」とでも呼べばいいのでしょうか。
これを使うと、片づけや宿題については、
・部屋を片づけた後ってどんな感じだと思う?
・遊ぶ前に宿題を終わりにすると、どんな気持ちで遊ぶことができるかな?
というような言い方になるでしょうか。
決して嫌みな言い方ではなく、この言葉から始まる対話によって、子どもが「じゃあ、やろう」と思う自発性を促すことができるはずです。
人間は、誰でも、関心のあること、興味のあることを楽しくやりたいですからね。
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